きもちがいいから

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きもちがいいから

誕生日プレゼントに、自転車を買ってもらった。 うれしくて、近くの空き地でたくさん練習して、手に入れたその日にはもう、乗れるようになった。 今度の休みには、あの道を走ろう。 この町は丘の形をしていて、 僕は休みのその日、丘のてっぺんまで、自転車で漕ぎ着けた。 ここからは、町が見渡せる。 漕ぎ出せば、長くゆるやかな下り坂が続くのだ。 それをひたすら、自転車で下り降りるのだ。 きっと、きもちがいいはずだ。 ペダルにかけた足を、くいっと押し込む。 さっそく、タイヤはくるくると転がりだす。 さっきまでは感じられなかった、涼しい風が僕の体に吹き渡る。
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