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「孝太郎、帰ってたのか。向こうで一泊する予定じゃなかった?」
半年前の冬。シェアハウスの共用部で、コンビニで買った鍋焼きうどんをつつきながら酎ハイを飲んでいると、同居人の周平が個室から姿を現した。
「うん。その予定だったけど、天候が悪くて途中で下山してきたんだ。ちょっと危ない目にもあったし。」
「雪山に一人で登るなんて、俺は絶対に考えないけどね。そのうち死ぬんじゃねえの?」
「あはは、それは周平がインドア派だからでしょ。また自分の部屋でパソコンいじってたの?寒いのに、よく籠っていられるね。」
「個室にエアコンがない分、家賃が格安なんだから多少は我慢しないとな。それに俺の部屋、パソコンが放出する熱で意外と暖かいよ。」
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