終わらない青春を君のために捧ぐ

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*  人間、自分に見合った生き方があるとは言うけれど。  あたしなんか、さえないのが当たり前で、高望みすべきじゃないんだろう。  パッとしない人生がお似合いで。  地味にコツコツ生きていくのが、お似合いで。 (ギャルとか不良とか……そういうのってあたしとは別次元の世界だよね)  なぜかお父さんがよくコギャルを取り扱った本を家に置いてるから、地味に詳しいけど。  とことん没個性なあたしには、無縁な世界。 「篠原! 篠原ナミエ」 「はいっ」 「日直の仕事頼んだぞ」 「……はい」  こうやって、高校三年生になっても。  予定調和のように日々を過ごしていけばいい。  そうすれば、それなりに生きていける。
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