終わらない青春を君のために捧ぐ

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 あたしは全力で道路に向けてパラパラを踊っている。  ナミエという名前の地味なあたしが安室ちゃんを踊るという皮肉。  その横で頭にハイビスカスを付けた金髪コギャル、あゆ……まるで平成初期を代表するような名前の二人組が一緒に踊っている。   今は世紀末ではない。れっきとした令和である。 「誰か止まってええええ」 「うえーい、楽しー」 「あゆ、何で一時間も踊り続けて切れ切れなの!?」 「コギャルなめんな」 「……ええ」  その手前には、さわやかな今風のイケメンが「海辺まで」と描かれたスケッチブックを掲げている。繰り返すが、今は令和である。  それなのに、地味でさえない高校生のはずのあたしは、コギャルと一緒にパラパラを踊り続けけて早一時間。車は一台も通る気配がなかった。  こんな風になったのは理由がある。それは……説明するために時間をさかのぼる。
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