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因果応報……
(てめー、ニンゲンのくせに、生意気だぞ)
どこからか、声が聞こえて来た。
「はっ、バカな! あんなの、子どもだったら誰でもやることだろ? オレに、復讐するっていうのか!?」
あの時。オレがザリガニにしたことと、ほぼ同じことが今、この電車の中で行われている。
(……ケケケ、まだ入れるぞ)
さっきと同じ声が聞こえて来た。
ギュウギュウ詰めになっても、なおオレが容赦なく入って来た。
「んだよ、最初からそうしろよ、ボケ」
「んだよ、最初からそうしろよ、ボケ」
「んだよ、最初からそうしろよ、ボケ」
オレはオレの人ごみの中、圧死寸前でもがき、あがいていた。
「く、苦しい……、し、しぬ! 悪かった、タスケテ……!」
ガハッ
オレが最後にしたことは、口から大量に血を吐いたことだった。
(ゲッ、きたねえ!)
おぼろげに、どこからともなく、その声が聞こえた。
【おわり】
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