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終電に、乗り遅れたと思ったら
「ドアが締まります」
ぷしゅー
オレの目の前で、最終電車の扉が虚しく閉まった。
「おい、ふざけんなよ! 開けろよ!」
ガンガン、ガンガン 思い切りドアを叩くと、ドアは開いた。
「んだよ、最初っからそうしろよ、ボケ」
悪態をつきながら、オレは「無人の」電車の中に入った。
「どすっ」
という音を立てつつ、座った。
ぷしゅー
再び、ドアが締まった。見渡しても、人の姿はない。
「あ、誰も乗ってねえのか……。まあ、深夜だしな」
と思ったのもつかの間。
ぷしゅー
「んだよ、最初からそうしろよ、ボケ」
再びドアが開き、目の前に、オレと同じ背格好の人間が、悪態をつきながら入って来た。
そして、「どすっ」とオレの隣に座った。
オレは、膝が震えた。
「だ、誰だお前は!」
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