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「モノ」の仲間入りした父
父はスピリチュアルな基盤の中で育った人なので、不思議な事が大好きでした。ノストラダムスや、ファティマの予言に傾倒し、死後の世界に興味津々でした。
父が祖父(父の父)が亡くなったとき、人は死ぬと7g軽くなる、魂の重さだそうだ、その瞬間が見たいが軽くなったあとしかわからなかった、本当に違うものだなと、しんみり呟くのを聞きました。
そんな父だったので、割と自らの死には冷静で、すうと亡くなりました。死に目には会えなかったのですが、父の亡骸を見たとき、人を人たらしめている生きているときの生気がない事に、私も父と同じ感想をもちました。
ああ、この人も7g軽くなったのだと思いました。
父の通夜の夜、父の亡骸を眺めていた私は、どこかにいった父の7gと会話していた気がします。
心安らぐひとときでした。
父は肉体から解放されたことを面白がっているようでした。
それまで老いや病から来る不調があったのをもう感じなくなったようです。
私たちとは違う次元にいて、大きな窓から現世を見ている、段々そこに執着がなくなっていく、そう言っていたようです。そして、「モノ」の気配をとても身近に感じると。本当にいるのだなと驚いているようでした。
初めて体験する「モノ」の世界にとても興味津々でした。自分もここに居ると私に伝えてくれたように思います。
ここに居て、お前の感知する世界に居る。そう言っていたようです。
その会話?をしたときから、私は他の家族のように悲しみませんでした。
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