年下の彼

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倖に返事を送ってから 私の携帯にはなんの音沙汰もない。 亜実と 喫茶すのこを出て 何を買うわけでもなく ブラブラと歩き、夜は用事があるからと 5時には亜実と解散した。 帰るにも 夕方では時間も早く、適当に目につくショップに入ってみる。 「 あ、スカーフ… この花柄 可愛い~ 」 うわ、1500円!? 安ーい。 明日 店にしてこうかなぁ、気合いのつもりで。 スカーフを買って 満足し、車を停めてあるパーキングに行き自宅に帰る。 途中でスーパーに寄って 夕食に惣菜を買う。 料理は ある程度 出来るが、休みはサボり作らない。 「 ただいま~… って、誰もいないけど 」 買ってきた惣菜を食べ、シャワーを浴びて パソコンで通販ショップを見て時間を潰す。 時間は夜9時を過ぎ、10時前。 目が疲れ、パソコンを閉じて伸びをすると 携帯が鳴った。 「 あ、菜々… ん? しばらく売れてないカーデもセール品にしたい… なるほど、そうだなぁ 売れ残るよりはいいかもね 」 菜々には 賛成と返事を返した。 そして また鳴る携帯。 見れば倖からだった。 『 今 バイト終わりました。仕事、了解です。夜 時間ください 』 この文面に、私は思った。 どうしても会いたい理由があるとすれば、やっぱり付き合えないと断るため。 「 私… 明日 フラれるか。早いなぁ…」 わかった、そう返信して 早々に寝ることにした。 そして翌朝 6時。 何となく 普段より静けさを感じて 窓から外を見ると 雨が降っていた。 「 最悪… ついてないな…」 でも、ワゴンセールは絶対売り切る! で、夜はフラれる… 朝からしんみりするな!仕事、仕事! この日は 30分早く自宅を出て職場に向かった。
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