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私はクレープでもなんでもないから溶けやしないのよ!
亜実や菜々の言う通り、ほんと私昨日から どうかしてる…
「 倖くん、なんで店に来たの?」
「 だってさ、清羅さんが店と営業時間教えてくれたから来ていいのかと思って、会いたかったし 」
うっわ… 会いたかったなんて照れちゃう。
けど店と時間を教えたら来ちゃうわけ?
アポなし?
「 でもね、私仕事してたでしょ?残業もあったりするから 」
「 マジでクールだった!清羅さん かっこいいしキレイだと思った、俺に気づかないくらい集中しててさ、気づけ、気づけ…って念送ったし 」
んー、ちょっとヤバいから!
こんな事言われた事ない。
キュキュキュンといちいち反応し嬉しがる心。
いかに恋から干されていたか。
「 あのねぇ 仕事してたの、私は!」
「 うん、知ってる。この人が彼女なんだなぁってカッコいいしドキドキした 」
あ~…………
キュンとしてる所へドスッと太いハートの矢が刺さったようだった。
こんなストレートに面と向かって言われて、ほんとに溶けるかもしれない。
きっと、私の顔は赤く染まっている。
夜がそれを隠してくれているのがありがたい。
「 清羅さん、今日バイト代入ったんだ、ご飯 ご馳走させてよ 」
来た…
嬉しいがそれをひっくり返す事を言わなければならない。
なぜなら私は社会人で、彼よりも稼ぎがあるから。
「 何よ、偉そうに… それはバイト頑張った分の給料でしょ、ご馳走しなくていいから 食べに行こ 」
「 でも、俺ほんとに…」
「 いいから、言うこと聞かないと酒場に連れてくよ? 早く、来て!」
どうして素直におごられないのか自分でも不思議。
彼氏が言ってくれた気持ちを素直に受けとるのも彼女の気持ち次第。
気持ちは嬉しいが、学生の倖に出させるわけにはいかない。
亜実が知ったら ほらやっぱり!って怒るんだろうなぁ…
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