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甘い気分はどこへやら。
普段、レジは私が張りついているため不足金が出るなんて事はない。
頭が落ち着かない私に、亜実が話す。
『 清羅? ちょっと聞いてんの? まだ続きあるから 』
続き?
「 何、話して 」
『 閉め間際に お客さんが やっぱり買いたいって迷ってた服を買ったらしいの、その時レジしたのが琴音ちゃんよ、私と菜々は裏にいたから知らなくて… 店長はトイレ。だから 不足が出たかも…』
そんなぁ なんで琴音ちゃん亜実を呼ばなかったの…
まだ慣れないレジ触ったらダメだよ。
「 あの子もレジ覚えなきゃだけど、いきなりこれじゃねぇ… 」
「 わかった、明日早く行って探してみる、1円。ありがとね…… うん、わかった…… おやすみ~ 」
明日は店長と菜々が休み。
このあと シャワーを浴びて寝た私は翌朝、早起きして アップルティーを入れて飲む。
あ~ 温まるし まだ眠いなぁ…
ダメダメ!
仕事 仕事!!
早めに職場に向かうため、着替え、忘れていたスカーフを巻いて自宅を出た。
途中コンビニに寄ってサラダとヨーグルト、ミルク味の飴を買った。
店行ったら食べよかな。
店に着くと裏でサラダにヨーグルトと、レモンバジルのドレッシングをかけて食べる。
「 うまっ 」
机においてある携帯がラインの着信を知らせる。
「 はいはい? 倖くん… おはよう、だけね 」
私からも おはよう と返事を返した。
朝から 丁寧だなぁ、倖くん。
一言しかない倖の送った文面を見つめていると 琴音が出勤してきた。
「 清羅さん… おはようございます 」
「 あ、早いね琴音ちゃん 」
「 いえ… あの、私レジでドジしたみたいなんで… 」
あ、不足金のことかな?
「 大丈夫よ、私も見るから 」
落ち込む琴音を慰めて、ミルク味の飴をあげた。
それを見つめる琴音が私に言った。
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