386人が本棚に入れています
本棚に追加
私は怒り顔でズンズンと歩き、友達との待ち合わせ場所まで来た。
ったく、なんなのよ…
こんなに人がたくさんいるのに、よりによってアイツに会うなんて信じらんないっ
「 清羅~ お待たせ!」
「 なにっ!! …あ、亜実 」
「 ちょっ、と~ 何よ、怖い顔して… 」
怖い顔?
ん~ 思い出したくない、忘れる、消す。
「 ううん~ なんでもなぁい 」
「 あ、そう… さ、お腹空いたし先になんか食べない?」
「 そうだね、任せる 」
透との再開を頭から消し去り、気分新たに亜実と出かける。
亜実が私に話ながら歩き、私は透との再会を忘れた気つもりでいたが、どうしても胸の奥がモヤモヤする。
「 …でね、うちの親戚の子も婚約だって!私より若い二十歳だよ、親にはさぁブツブツ言われるし~
って 聞いてる? 」
「 ん? ああ、ごめん 亜実… 」
「 何よ~ 私たち輝ける花満開中の独身だよ? 項垂れないでよ 」
ほんと、そうだよね。
あんな過去、もういいじゃないの!
清い恋と出会うまでは 諦めないんだから!
最初のコメントを投稿しよう!