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彼からの返事に驚く私は、どうしていいかわからなかった。
いいよ、って言った…
このイケメン店員が いいよ、って…
「 お客さん、名前聞いてもいい?」
「 え… 名前 」
誰の? 私の?
「 俺、黒岩 倖(ユキ)よろしくね 」
ほら、よろしくって言ってる…
嘘みたい。
いや、白昼夢でも見ちゃったかな…
だって、いきなりこんなのあり得ないでしょ。
でも…
「 お客さん?」
お客さん? いやいや、違うでしょ?
しっかりしてよ、清羅!
あんたが無謀に告白して捕まってくれたんだよ!
「 ……あ、あの! し、島本 清羅ですっ すぐ捨てないでくださーい 」
…ん?
「 ぶっ… はははははっ マジ おもしろいね 」
うわ、笑いすぎ… 私のバカ。
バカ バカ バカ…バカ。
笑う倖を通りすがる人達が見ていく。
恥ずかしい私は倖を店内へと連れ戻した。
「 あ~ 笑った! 仕事に戻るからまたあとでね、清羅さん 」
ははは…
席に戻ると 亜実がムスッとしていた。
おっと~…
「 ごめんね、亜実~ おごるから!ね?」
「 当然よ!あんたねぇ、いきなり店員拐うなんてどうかしてる! まさかとって食うつもりじゃ… 」
「 食わない!…たぶん。って言いますか~… 実は ビビッと来て彼氏になれーってさ、晴れて彼氏になりましたとさ 」
わかりにくい説明だけど…
「 はい? あんた… ついに狂ったね、かわいそうに、残念すぎるわほんと 」
だから、違うって。
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