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愛の流刑地
盲目の恋人たちか?
狂人の一人芝居か?
この世に疲れ果てた二人が行き着いた先か……。
「静かないい場所だね」
「そうね。虫の鳴き声や小鳥のさえずりも聞こえないほど静かだわ」
「ここは神様がくれた楽園なんだよ、きっと」
「本当ね。ここから全てが始まるんだわ」
「すっと二人でいよう」
「ええ、永遠にね」
澄み切った青空。
静寂の大地。
緩やかに風が吹く。
その風に揺られた看板にはこう書かれていた。
「危険 高濃度放射能汚染地域につき立入禁止」
【終わり】
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