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京都、四条通り
八坂神社の石段下から路地を入り、京町家の格子戸をくぐる。
地下へと続く階段を下りると、毎週末、熱狂的なファンでひしめくライブハウス、ここは「ブルームーン」
「今日も大成功だったな…」
アキラが、スッキリとした表情で缶ジュースを傾けながら言った。
「ああ、今日もやり切った」
楽屋では、バンド「スターダスト」のメンバーがライブ後の乾杯をしていた。
「シュウ、ホントお前、良いタイミングで泣くよな……かなりのファンがシュウ様っ‼ってもらい泣きしてたぞ……」
リュウジが呆れを通り越して感心したように言った。
「別に、受け狙いじゃないし……」
シュウはしれっとした表情で、グラスに入った金色の液体を、美味しそうに口に流し込む。
「俺は歌が全てなんだ。俺は俺の全てを懸けて言葉を紡ぐ…ただそれだけだ。」
シュウは、唇に残った液体をペロリと舐めて言った。
「分かってるよ。お前のそういうトコ、俺は嫌いじゃないし。」
アキラはリュウジと顔を見合わせながら言った。
アキラは、明るい茶髪に、金色に近い大きな瞳、一見すると女の子のように可愛い。
しかし、顔に似合わず怪力で、感情の起伏が激しいせいか、その昔は、龍虎という京都を仕切る一大裏組織の集団に居たらしい。
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