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エピソード2.スターダスト
ダンダンッダダンッ‼
ドラムがリズミカルに鳴り響く。
エレキギターが切なく弾かれ、高みに向かって昇りつめていく。
観客は、ラストスパートが近づき、狂ったように歓声をあげながらステージを見つめる。
その視線の先には、観客の歓声を一心に浴びながら、無心にマイクを握って歌う少年がいる。
サラリと揺れる黒髪、長いまつ毛から覗く黒い双眼は、スポットライトを浴びて、星の瞬きのように甘く切なく煌く。
歌いながら首をかしげる度に、白い鎖骨があらわになる様は、少年独特の清廉さと危うさが溶け合い、観客を甘く惑わした。
「キャァッ……‼シュウゥ…‼」
「こっち向いてぇ……‼」
「シュウ……‼可愛いぃ……‼」
シュウが、ステージからチラリと観客へ視線を投げ、切なげに目を細めると、悲鳴に近い声があちこちから上がる。
「シュウゥ…‼愛してるぅ……‼」
「キャァッ……‼もう無理……‼」
シュウの切ない視線に当てられ、数人のファンはクラクラとその場に崩れ落ちた。
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