あの夏の日に.....

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

あの夏の日に.....

あの夏の日みたいに.....またどこかで..... 昨日も今日も晴天だった。 僕は窓越しから入道雲を見てた。 この日はだるいくらいの快晴で空を見上げ続けることは難しく、途中で目を閉じてしまう。 僕が今、思い出したい事は.....どうも簡単に思い出せないみたいだ。 そう考えてるうちに歳を取っていく。 そんな、現状に浸っていたんだ。 「あいつを倒すのには、やっぱりこうするしかないよな」 「いや、待てよ。それだと、失敗する可能性高いぞ」 「んじゃ間を取って、こういうのはどう?」 「うーん、決まらないなぁ。輝さんはどんな作戦がいいと思う?」 「え、僕はなんでも.....」 「「「何でもはダメ!」」」 「じゃあ、こういう作戦かな?」 「.....それで行こう!」 「あぁ、いい作戦だ!」 「よし!出かけるぞー!」 「輝さん、早く早く」 「あぁ、今行く」 全く、ちょっと大人ぶった作戦なのに、利用されるとはな.....(笑) 「よし、いくぞー」 「「「おー!!」」」 この不思議な合図、おもしろいけど.....ダサいって気持ちもある。 『行こうか、今日も戦争(笑)だよ!!』 僕らはそんな感じで、いじめと立ち向かうために手を取り合ったんだっけ.......... いじめなんて、理不尽な理由ばかりだ。 一人ぼっち強いられてるんだよ.......... そんな事を考えてるうちに僕は迷いが生まれた。そのせいか、憂鬱になりそうになった。 背高草分けて、滲む太陽睨んでたら 君は僕にこう言ってくれたよね? 「孤独なら、こっちにおいでよ!」 ってね..... その頃から騒がしいというのが僕の心の扉をノックした。 その時、生まれた感情がたくさんある。 でも、今は.....少し不安だ。 頭に浮かんでは、萎んだ幻の感情なんじゃないかってね..... 僕らはいつも、秘密基地に集まっては、「楽しいね」って笑いあってたね。 あの頃を思い出して、話をしてみたいなぁ。 あの頃は飛行機雲飛んでって、「眩しいね」って泣いていたね。 あれから、何年経ったのかな。 君がどんな顔してたかな? なぜだか、分からない。君が思い出せないんだ。 小さい頃、いじめにあってた。 あの頃を思い出すと「痛いくらいの現実は早く終わった」と思う。 選んだ今日は平凡だけど、崩れそうな日々だ。 今の子供たちは昔の僕達と同じで いじめと向き合うために昨日も今日も延長戦なんだろ.....大人は臆病だからいじめと向き合おうとしない。 あの時、先生が助けてくれなかった理由が 今では、なんとなく分かるんだ。 廻る世界や枯れる太陽、炎天下の中 陽炎が揺れたんだ。 「忘れないでね!さぁ、進もうか!」 って.......... もどかしさに何度でも明日を夢に見てたんだっけか.......... 「戻らない、先のある世界へは俺達が変えよう」 って言ってたなぁ.......... 今頃、思い出しても、もう終わってるよな..... 間に合わないよな.....秘密基地だって、冒険だって、消えているだろう。 あの日に迷い込んだ、僕の話を聞きたい。 独りぼっちが集まっていた、子供達の作戦だった。 《ピコン》 ん?LINEか?しかも、グループLINEだ。どこのグループLINEだ? ............... 『いつか会おうって約束してたよね?今日の夕方頃にあの秘密基地集合ね!』 あぁ、また今日も世界が廻り出すんだ。 「涼しいね!」って言い合った。夏空は透明だったね。 「今日はみんなに話があるんだ」 「話?」 「うん。俺達はこのままじゃダメだ。だから.....」 「明瑠?」 『さよなら』したいってことか。 言いたいことは分かるけど、言う本人が泣いたら意味が無い気がする。 だから、僕は泣かないように息を吸い込んで 「さよなら.....しよっか」 と呟いた 「お前!本気で.....」 「一生の別れじゃない。また、新しい事を思い出したら、この秘密基地に集まって、会おう」 そう、僕らの物語はまだ.....ここらだ。 何度でも人生を描いていこう。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!