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「ごめん、月島さん。電気付けてもらえる?」
「あ、ハイ」
以前に来た時にも不便に思ったが、この部屋の明かりのスイッチは入り口ではなく、なぜか折れ曲がった先の続き部屋の壁にある。
入り口で扉を押さえ、通路の明かりが差し込むようにする須崎を尻目に、瞳子はやれやれと思いながら奥へと進む。
両脇には雑多に段ボールが積まれ、商品展示用ワゴンや大小の四角い透明なケースが所狭しと置かれていた。
(まさかここの片付けしろっていうんじゃ……)
歩くのもやっとなスペースは、何か必要な物を取り出す際に邪魔だし、下手をすると危険だろう。
そんなことを漠然と考えつつ、瞳子は壁際に手を伸ばした。パチン、と、小さな手応えを感じたが、倉庫内に明かりは灯らない。
(あれ……)
いぶかしく思いながら瞳子が指先でスイッチを交互に押していると、
「点かない?」
生臭い息づかいを間近で感じ、瞳子は短い悲鳴をあげる。
「点かないよねぇ?」
驚いて振り返ったのとほぼ同時。須崎のニヤニヤとする顔がすぐ側にあって、ぞわっと鳥肌が立った。
「やっ……!」
反射的に飛び退くと、背後にあった会議机に強か腰をぶつけてしまう。
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