天空碧 — 拜拜

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「ねえ、曉慧。篠塚さんとはどうなってるの? そこら辺のこともちゃんと聞かせてもらわないと」  曉慧の想い人、篠塚修さんは、台北勤務のビジネスマン。日本人離れした長身と涼やかな目元。落ち着いた物腰で大人の魅力たっぷりだが、茶目っ気もある楽しい人だ。  彼は仕事の傍ら中国語の研鑽にと、この春からわたしたちと同じ語学学校の個人コースに通っている。わたしたちは、休みの日に参加した学校の校外イベントをきっかけに仲よくなった。 「煩い! 私のことはべつにいいのよ。それよりあんたでしょ、小鈴。あんたこそ名刺もらったんだし、ちょうどいいじゃない。相談に行きなさいよ」 「なんで話戻ってくるかな……」 「行く! あたしが行く! それであの流し目のきみを……」 「アマンダ?」 「それ! 本末転倒!」 「どうして? いいじゃない」 「アマンダ、あんた、守備範囲広すぎ」 「曉慧、あんただってサインもらってたでしょう?」 「それとこれは、別よ」  漫才のようなこの掛け合い。ふたりはいつでも面白い。 *
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