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「やっぱり無理させちゃってるのかな? 小鈴、ごめんね。私がこんなじゃなきゃもっと動けるんだけど」
「そうだよ小鈴。店だって人を雇えばいいんだからね。キツかったらちゃんと言うんだよ。若いときの無理は年取ってから祟るんだから」
「大丈夫なんだけど……うん。気をつけます」
そもそもあんたは食が細すぎるんだからたくさん食べて元気をつけなさい、と、林媽媽がわたしの茶碗に卵とトマトの炒め物とキュウリを積む。
「それでね、雨も降り出したし、そのままにして病気になったら困るから先に休ませようって、家まで運んだのよ」
「うん……。ごめんなさい。お手間おかけしました」
「謝る必要なんてないよ。ちっとも手間なんかじゃないんだから」
林媽媽がどんどんお食べと、山盛りの茶碗にさらに腸詰めを積み上げた。
いくらなんでも朝からこんなにたくさん食べられないってば。
「それで? バーベキューは?」
「ああ、バーベキュー? そりゃもちろん、あんたを寝かせてからガレージに移動して続行したわよ?」
「……ガレージ?」
「だって、雨が降ってきたんだもの」
あたりまえでしょう、と言う芙蓉姐に林媽媽も頷いている。なんでだ。
天気の変化を見越して最初から車が追い出されていたとは。バーベキュー愛、凄すぎ。
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