chapter10 20XX:ギブユー・ゴホウビ

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「ボス、失礼します。『マラーコン』の中和剤の準備が出来たと科捜研から連絡が…」  扉が開き、マッスルさんが入ってきた。  どこかで見たようなシチュエーションだ。  しかし、今回ばかりはマッスルさんも看過出来なかったのか、表情を強張らせた。 「ボスズルい!!抜け駆けなんて卑怯ですよ!?」 「マッスルちゃんのお邪魔虫!折角良いところだったのに!嫉妬深いホモはモテないわよ!?」  ギャーギャーと喧嘩を始める二人。  その様子が何故か微笑ましく、自分の貞操が掛かっているのに、僕はつい笑ってしまった。 「ちぇっ、もういいわ。さっさと終わらせましょう。今夜は祝杯よ」 「それと、ゴウさんの歓迎会ですね。今夜は寝かせませんよ」  マリアが僕に着替え一式を投げる。  いつの間にか、マリアは着替えを終えてマッスルさんと共に扉の前に立っていた。 「行くわよ、ゴウ」 「…はい!」  背広を羽織りながら、僕はマリアの元へ走った。                 《了》
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