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「ボス、失礼します。『マラーコン』の中和剤の準備が出来たと科捜研から連絡が…」
扉が開き、マッスルさんが入ってきた。
どこかで見たようなシチュエーションだ。
しかし、今回ばかりはマッスルさんも看過出来なかったのか、表情を強張らせた。
「ボスズルい!!抜け駆けなんて卑怯ですよ!?」
「マッスルちゃんのお邪魔虫!折角良いところだったのに!嫉妬深いホモはモテないわよ!?」
ギャーギャーと喧嘩を始める二人。
その様子が何故か微笑ましく、自分の貞操が掛かっているのに、僕はつい笑ってしまった。
「ちぇっ、もういいわ。さっさと終わらせましょう。今夜は祝杯よ」
「それと、ゴウさんの歓迎会ですね。今夜は寝かせませんよ」
マリアが僕に着替え一式を投げる。
いつの間にか、マリアは着替えを終えてマッスルさんと共に扉の前に立っていた。
「行くわよ、ゴウ」
「…はい!」
背広を羽織りながら、僕はマリアの元へ走った。
《了》
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