青の小夜曲

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 音楽の授業が終わった後、今度は逆に教室に戻りながら、私は香澄に、 「最上先生って、恋人とかいるのかな?」 と素朴な疑問を投げかけた。  すると香澄は若干声を潜めながら、 「たぶんいないと思うわよ。婚活パーティーに行ってるらしいって噂だから」 と教えてくれる。 「婚活!?」 (あのクールな先生が、婚活パーティーに行っている姿なんて想像できないなぁ)  とはいえ、最上先生も妙齢の女性なので、結婚に焦っているのかもしれない。  私はふと、黒川君にシャツを腰に巻かれて、赤くなっていた先生の顔を思い出した。 (もしかすると先生は、男の人に免疫がないのかもしれないなぁ……)  爽やかイケメンモードの彼に、うっかりときめいてしまったのかも。 (……なんてこと、あるわけないよね。だって担任の先生だもん)  一瞬脳裏に浮かんだ考えをすぐに打ち消し、私は首を振った。 
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