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「彩花の楽しい思い出のお母さんは、本当のお母さんじゃない お父さんが付き合っていた女性なんだ」
オトウサン、ナニイッテルノ…
ソンナワケナイジャナイ…
ワタシノオカアサンハ……
耳鳴りがして、いつものひんやりした空気が流れる。
ア、イツモノユメダ…
いつも目が開けられないのに、今日は開けることができる。
顔を上げ、お母さんの顔を見たら…
オカアサン???
私の覚えてるお母さんじゃなかった…
コンナヒトシラナイ
じゃあ、今のお父さんの話は本当の話?
私の覚えてるお母さんの記憶は…お父さんの愛人だったの???
頭が混乱して行く。
どこからか声がする。
「ア ヤ カ」
導かれるように声のするほうに顔を向ける。
オカアサン
手を伸ばすけど、触れることなく空を切る指先。
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