父親・国王

2/2
前へ
/9ページ
次へ
とある一日 ジリリリリーン! 目覚まし時計の音で、目が覚める。 「むにゃ?」 目覚まし時計のスイッチを押して、スイッチを切る。 よし、これで私の眠りを妨げるものはなくなった。 星柄の布団に潜り込み、二度寝に入る。 ……。 ハッ!! しまった、二度寝をしていた。 ん? まだ七時じゃないか。 もっと寝よう。 ……。 ハッ!!! しまった、三度寝をしていた。 ん? !!! もう十二時じゃないか! あわててTシャツとズボンを着、下に降りていく。 あっ、ひげをそるのを忘れてた! まあ、いいか。 「国王様……いいかげん、その庶民的な服装はやめてください。」 大臣があきれている。 ふん! 「ご家族の皆様は、もう朝食を済ませてしまわれましたよ。昼食に用意しておりますのは、パンプキンパイ、鶏肉のスープ、フレンチトースト……。」 「だめだ、だめだ!!昼ごはんといえば、トーストとミルク!ちなみに朝ご飯はご飯とみそ汁と卵焼き!これはお決まりなんだ!パンプキンパイなんかつくらなくていい!!」 「国王様……いいかげん、その庶民的な料理のこだわりをやめてください。」 大臣が呆れている。 ふん! お昼ご飯を済ませて、自分の部屋へ。 「こっ、国王様!?何をされるつもりですか!」 「昼寝だ。」 「国王様……いいかげん、その庶民的な習慣をやめてください。」 大臣があきれている。 ふん! 「今日は、隣の国の大臣と会う約束です。」 「そうか、すぐ行こう。軽自動車はあるか?」 「国王様……いいかげん、その庶民的な乗り物を運転するのをやめてください。」 大臣があきれている。 ふん! ソファーに寝転がってふて寝をしていると、あきれた大臣の声が降ってきた。 「国王様……いいかげ……。」 そこで枕を頭からかぶり、大臣の声をシャットアウトした。 「国……かげ……。」 ところどころ聞こえるが、構うものか。 そして私は、そのまま四度寝(昼寝)に突入した。 ……。 ハッ! また寝てしまった。 時計を見ると、すでに午後七時。 なんだ、よい子のみんなが寝る時間じゃないか。 よい大人の私も、寝ることにしよう。 お休みなさーい。 こうして、庶民的な王様の一日は終わりを告げた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加