プロローグ〜しっぽと耳〜

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 高校二年生になり、ずっとずっと気になって仕方がないことが一つ・・・。  クラスメイトの頭に猫のような狐のような可愛い耳とふさふさのしっぽが見えているのだ。  そのクラスメイトは天野統胡(あまのとうご)。この高校の生徒会長でイケメン、彼にできないことはないというぐらい頭脳明晰、運動神経抜群。そして性格は温和でほのぼの、誰に対しても優しい。ほのぼのしているのだが、やることはやる。なんでもそつなく俊敏にこなす。まさしくミスターパーフェクト。パーフェクト男子なのだ。  雲の上の存在と思いきや、私は生徒会書記をしている関係でみんなよりは仲がいいのではないだろうか。話していてもハイスペックなのを鼻にかけることもなく、とても穏やかで話していて心地が良い。生徒会の仕事もとても素早くこなしていて、先生、生徒の信頼も厚い。私も生徒会長が仕事を素早くこなしてくれるおかげで、書記の仕事もとても楽だ。本当はやりたくなかったのだが頼まれごとは断れない性格があだとなってやることになったのだ。だけど、生徒会長のおかげで何も負担なく生徒会の仕事ができている。生徒会長は私の家庭の事情も知っていてよく気を使ってくれる。  そんな誰からも尊敬されている生徒会長の頭に耳が付いているなんて誰が想像するだろうか。  みんなには見えてないんだろうな。ということは・・・。
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