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カバネさんから「したい」とか「してほしい」と言って欲しくて、その体に抗い難い快楽を教え込んだら、刻み込んだら、そんな風に求めて来てくれるかも?と思った。
だから、どうしたら1番快楽に溺れてくれるのか、どんなことをしたらいいのか、考えたり調べたりして、かなり変態な、ロープで縛るなんてプレイに行き着いてしまった…。
でも………思っていた以上に、カバネさんはエロくて、いやらしくて、かわいくて……縛られて感じてる姿だけでも興奮したのに、あんな…僕に下の口を自ら晒して「突いて」なんて言うなんて。
いや、僕が強要したんだけど。
でも、本当にするとは思わなかった。泣いて「恥ずかしいから許して」と言って、やらないと思った。だから、涙零しながらあんな姿をされて、僕が止められなくなってしまった。
あの時、よく鼻血噴き出さなかったな…
「…ん、ヤシン?」
僕が昨日の余韻に浸っていると、カバネさんが目を覚まして、目を擦っていた。
あああ、寝起きもかわいい…
「昨日は凄くエロくてかわいかったです、カバネさん」
かわいくて、我慢出来なくて、僕はカバネさんの唇に自分のそれを重ねた。
「んッ…」
カバネさんは、ちょっとだけ抵抗したけれど、舌を絡めると、力が抜けて、少しとろんとした表情になった。
「…昨日、乳首舐めてあげませんでしたね。今舐めてあげますね」
「えっ、ちょっ、な、舐めなくて…いい、からっ…やっ、ヤァ、ンっ」
「小さくてかわいい…さっきのキスとココをちょっと舐めただけなのに、こっち反応してる」
小さくかわいい胸の先を舌でいじめながら、元気になりだしたそれに触れた。
「触んな、ばかぁっ…アッ、アン…も、出ない…昨日いっぱい…出したから…アァん、でな、い」
「出ない?じゃあ試してみましょう」
言うこともかわいいな、カバネさんは。でも、ちょっといじめれば、すぐ出してしまうくせに。
僕は口の端に笑みを浮かべて、カバネさんのそれの先を擦り、まだトロトロのそこへ指を入れて動かした。
「ひゃっ、ん…ゆび、入れちゃ、らめぇっ…やァん、アアァァ…」
「昨日は指を4本も飲み込んだくせに。それに、自らそこを晒して、僕を求めたくせに」
「あ、あれは、おおおお前がさせたくせにっ…アァんっ、それ、らめって、やだぁ…で…る…はァァんッ」
カバネさんは甘い声を漏らし、体を大きく震わせた。
「フフ…やっぱり出ましたね。ねぇカバネさん、僕とするの好きですか?僕にされたいって思いますが?」
いつも求めて来てくれないカバネさん。いつも僕ばかり求めて、カバネさんは抵抗とかしないから、そのまましているけど、たまにはカバネさんから求めて欲しい。
「と、突然なにを言い出すんだ?す、好きじゃなきゃしないだろ、あ、あああんな事…」
「じゃあ、なんでカバネさんから『してほしい』って言ってきてくれないんですか?」
カバネさんの体の上に乗っかり、僕は少し甘えるように質問した。
「そ、そんなの……は、恥ずかしいからに決まってるだろっ…」
顔を赤くして、カバネさんは僕から目を逸らした。
「…でも昨日は、あんなに大胆でエロい姿で、求めてくれたじゃないですか。今だって僕が欲しくなっているでしょう?ねぇ、昨日のあれ、またやって下さい」
僕が耳元で囁いて、カバネさんのそこに指を滑らせて触れると、カバネさんは真っ赤な顔をして、僕を思い切り突き飛ばした。
僕は全く予想もしていなかったので、バランスを崩し、ベッドの下に落ちてしまった。
えっ……???
カバネさんが本気で僕を突き飛ばした…。
今までこんな事1度もなかったのに。もしかして昨日の事、本当は凄く嫌だったとかで、ずっと我慢してたとかで、僕が今またしつこくしたから、本気で怒ったとか…。
僕、カバネさんに嫌われた?
「ごめん、加減出来なかった。怪我とかしてないか?大丈夫か?」
申し訳なさそうに、心配そうに、カバネさんは僕に手を差しのべて来たけど、僕は気が動転して、その手を取ることが出来なかった。
「ヤシン?……ち、違うぞっ、お前なんか勘違いしてるみたいだけど、そ、その、お前の事が嫌とかで突き飛ばしたんじゃないからなっ」
「…じゃあ、なんで?今までこんな事1度もなかったのに…」
僕は思わず、思っていた事をそのまま口に出してしまった。
「ききき昨日の…あ、あああんな事、またしろなんて言うから、は、恥ずかしくて嫌だったんだっ!もう、あああんなの無理!無理だから!」
「…縛ったりされて嫌で我慢したり、怒っているんじゃ…」
「お、お前が変態なのはもう分かってるし……い、嫌なら今みたいに抵抗…するし…その、気持ち………良くないわけじゃ…なかったし」
カバネさんはまた顔を赤くして、最後の方はかなり小声でそう言って、恥ずかしそうに僕から目を逸らした。
変態と認識されているのはどうかと思うけど…。
そっか、ああいう事、恥ずかしいけど嫌ではないのか、なるほど、そうか…。
それに、カバネさん、嫌な時は今みたいに抵抗するんだ。本気で抵抗すれば、僕なんか吹っ飛ばせるんだ。じゃあ今まで、1度も僕がする事嫌だと思ったことなかったんだ。
「嫌じゃないなら、もっとカバネさんから僕を求めて欲しい」
僕がそう言うと、カバネさんは少し悩んで、再び僕に手を差し伸べて、
「…い、いつもみたいに…体、綺麗に洗ってくれるよな?その、す、隅々まで…綺麗に、して…欲しい」
耳まで赤くして、小声だったけどお願いしてきた。それは、僕の求める「して欲しい」とは少し違うけど、それがカバネさんの精一杯というのも分かっていた。だから…
「もちろん喜んで。隅々まで徹底的に綺麗にしてあげますね」
僕はカバネさんの手を取って、満面の笑みを浮かべた。
その後、カバネさんの望み通りに、隅々まで徹底的に綺麗して、かわいい声を上げさせまくった。
洗っている時は可愛かったのだけど、男2人では狭いバスタブに浸かっているというのに、カバネさんは僕から目一杯離れて入っていた。
くそ、膝の上に乗せて悪戯したかったのに。
「…ヤシンって筋肉付きにくいって言ってるけど、無駄が一切なくて綺麗な体してるよな」
「なっ、何を突然……無駄がない綺麗な体なのはカバネさんの方ですよ」
さっきからじっと僕の体見てると思ったら、そんな事考えてたのか。
全然予想してなかった言葉に、僕はうっかり嬉しくて顔が赤くなって来て、それをカバネさんに見られないように、顔を背けた。
それなのに
カバネさんは、僕に近づいてきて、僕の腕や胸をペタペタと触って、最後に胸に頭をもたげてきて
「ほら、ちゃんと筋肉ついてるじゃないか」
言いながら、更に胸に頬を擦り寄せた。
なななんなんだ!この人は!たとえ無意識でも、こんなかわいいことされたら、僕また…
「カバネさん、そんなことされたら、僕がどうなるか分かっててやってます?」
カバネさんの尻を掴んで、そこに指を入れようとすると、カバネさんは慌てて僕から離れようとした。
「まっ、待って、さすがにもう無理だからっ…アァっ、ダメ」
僕はカバネさんを逃がすまいと、強引にそこに指を押し込んだ。
「あ、んッ…だ、だめだっ」
カバネさんは身を捩り、強い力で僕の手を振りほどいて、バスタブから逃げ出した。
「こんなんじゃ、一緒に暮らしたら止まらなくなるだろう!少しは我慢を覚えろっ」
「僕が止まらなくなったら、その時はさっきみたいに本気で抵抗して、カバネさんが止めてください」
我ながらズルい考えだと思うけど、多分そうでもしないと、僕は自分を止められないと思うから。
「そんな時ばっかり俺を頼るな!バカっ!い、嫌じゃない、のに…抵抗出来るかっ……バカバカバカっ」
真っ赤な顔で叫んで、よろめきながらカバネさんは浴室を出て行った。
「…………嫌じゃないんだ…」
あれ?止められなくなってるの、僕だけじゃなかったってこと?しかもカバネさん、さっきので反応しちゃってる様子だったし…
んん?さっきの胸にスリスリは、もしかしてカバネさん、して欲しい気持ちがあったとか???
自分から求めて来てはくれないけど、でも、本気で抵抗してこないことが、あの人にとって僕を求めているってことで…。
「今はそれで満足するしかないか…」
それに、我慢しろとは言っていたけど、嫌じゃないって言ってたし。これは追いかけて行って、悪戯していいって事だよね?(←都合のいい解釈)
「それにあんまり積極的に求められても、あの可愛さが減っちゃうしな…」
積極的に僕を求めてくるカバネさんを想像して、僕はやっぱり、恥ずかしがって言えないカバネさんのがいいなとか思った。
カバネさんの後を追って部屋に行くと、ベッドの上で布団に包まりながら、上目遣いで僕を見るカバネさんが待っていた。
んん?あの表情…やっぱりカバネさんも、まだしたい気持ちあったのかな?
恥ずかしがり屋な僕のかわいい人。
時間はこれからまだまだ沢山あるし、かわいいのを損なわずに、もっといやらしくなるように、少しずつ調教していけばいい。
それはそれで楽しみかも。
ベッドの上からヤシンを見ていたカバネは、急に悪寒を感じた。
俺、もしかしてまた何か間違った変なこと言ったのかな……ヤシンが今、すごく良からぬことを考えていたような気がする…
だけどカバネは、そんなヤシンの思惑に気付くことなく、知らず知らず、あらぬ方向へと調教されていくのだった…。
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