好きだから、好きです。

17/38
5696人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
「ところでこの電車、さっきから全然停まりませんね?」 「当たり前だろ。これ、快速だぞ。三十分は停まらん」 「えっ⁉︎」 マ、マジかよ……。 泉さんの言う通り、電車が停まったのはそれから三十分後で。 「何か、色々とほんとにすみませんでした……」 停車した駅で、泉さんも俺に合わせてとりあえず一緒に降りてくれた。 「ったく。次に来る反対方向の電車は、三番ホームな」 三番ホームですね、分かりました。と答えるものの、泉さんも一緒についてくる。 「お前、そそっかしくホーム間違えて変な所まで行きそうで怖い」ということらしい。何から何まで本当に申し訳ない。 人で混んでるエレベーターをのぼり、今度は三番ホームへ下る階段を目指す。 その途中で。 「……あの、泉さん。良かったら、このまま一緒にどこか行きませんか?」 と提案してみる。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!