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二人に気付かれないように、俺は家をそっと出た。
こんな日に限って、夕焼けがとても綺麗だ。
外で適当に時間を潰し、頃合いを見計らってからまた家に戻った。
「た、ただいま」
もちろん、今帰ってきたばかりのふりをする。
「お帰り。京ちゃん」
出迎えてくれたのは、爽やかな笑顔を浮かべた一臣だ。
「食事の用意出来てるよ。一緒に食べよう」
「う、うん……」
「京ちゃん? どうかした?」
「いや……」
一緒に食べないのは、さすがに不自然だよな?
何も知らないふりって、簡単だと思っていたけど意外に難しい。感情がすぐ顔に出てしまいそうだ。
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