好きだから、好きです。

3/38
5699人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
その後部屋に戻り、風呂に入る準備をする。 階段を下り、一階にある浴室へと向かっていると、タオルで髪をガシガシと拭きながらこちらへ歩いてくる泉さんと出くわす。 「あ、お帰り。悪い、先に風呂入っちまった」 「あっ、いいんですいいんです! 俺の方こそ、お風呂お借りします」 風呂上がりの泉さんは、下はジーパン、上は薄手のTシャツを着ている。 普段はあまり気にしたことがなかったけれど、こういう格好をしている泉さんのことをこうして間近で見てみると、羨ましいくらいに体格良いな、と思う。 スレンダーでモデル体型の一臣とはまた違い、泉さんは筋肉質な感じ。 身長は一臣とそんなに変わらないし、女の子からしたら間違いなくイケメンの部類だと思う。 ……結構モテるだろうな? 「何だよ? ジロジロ見て」 「あっ、すみません! 泉さんって、女の子からモテるだろうなーって!」 ……しまった。失礼なことを言ってしまったかもしれない。 普通に考えたら失礼な発言はしていないと思われるが、泉さんは、一臣への気持ちを諦めたばかりだ。しかも、俺の出現のせいで。 しかし、泉さんは特に気にする様子もなく、俺の質問に答えてくれる。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!