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「あー…どうしよう。」
ただいま私、見慣れぬ廃倉庫で正座してます。
どうしてこうなったかというと、店長に昨夜のことを聞きに行こうと店に寄る途中に何者かに拉致られてしまったのです。
倉庫の中には見るからに怪しいおじさんが1、2、3、4、5…人?
外からもひそひそ声が聞こえてくるから倉庫の周囲に何人かいるのかな?
おじさんたちの近くには袋詰めされた…白い粉っぽいものが積まれてる。
今私はあれが小麦粉とか片栗粉であってほしいって思ってるんだけどあり得ないよね。
あれって所謂怪しいお薬だよね?
ということはここは、密売現場かなんかだよね…?
「ふぇえ…店長助けてぇ…。」
ぼそっと呟いただけだったのに、近くに立っていたおじさんがそれに気付いて歩み寄って来た。
「やっぱりお前、あの花屋の知り合いだったな。」
「あ、おじさんは…。」
つい昨日私の腕をガッツリ掴んだおじさんじゃないか。
私の中で情報が線で繋がった。
このおじさんは女性の婚約者で結婚を急いでいたのはこういう悪いことが原因になっているにちがいない。
さすがにJKの頭では大まかなことしかわからないけど、今はそれで十分だ。
「おじさん、なんで私はここで縛られて正座させられてるの?」
「お兄さんと呼びなさい。お前の店の店長をおびき出すエサになってもらおうと思ってな。」
「なんで店長…?」
おじさんは子バカにしたように鼻で笑った。
「お前何も知らずにあいつといるのか!あいつはなぁ裏の世界じゃ随分と有名人なんだぜ?」
まさか、店長も悪いことしてるってこと!?
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