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「じゃあ、美咲ちゃんよくがまんしたんだね」
「短剣の誘惑に駆られて安綱を使ったら
絶対石井を殺してるだろうから木刀を握ってたの」
「ふーん、石井は美咲ちゃんに助けられたんだね」
「それはないと思う。もうすぐ死ぬと思う」
意外な一言だった。
石井の渾身の第一刀を左に避けた美咲は瞬時に
石井の肝臓、肋骨の下部の隙間から上に突き刺した。
そしてそのまま斜め下から短刀の柄を上に押し上げ
柔らかい肋骨を折った。
「短刀が当たった肝臓の一部は潰れてるし、
苦しむと思う、それに肋骨が折れて肝臓に刺さってるから
激痛が走る、手術で刺さった骨を取っても潰れた組織は
正常に戻らないから苦しみながら死ぬかも」
そこまで冷静に言う美咲をちょっと怖いと思う琢磨だった。
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