あとがき

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あとがき

『深海』を執筆した、志生帆 海です。   『深海』は「向日葵の約束・7」をもって完結しました。最後まで読んで下さってありがとうございます。  『深海』は、途中読むのが辛くて堪らないけれども、気になって最後まで一気に読んでしまったという有り難い感想をよくいただきます。  優也の挫折からの成長物語なので、主に優也の感情を中心に描いてきました。彼が味わったように、信じ愛していた人から突然裏切られたり、理不尽な目にあったり理解してもらえなかったりと、長い人生は決していい事ばかりではないですよね。私自身もそんな経験を実際にしましたし、様々な感情を抱えて毎日過ごしています。  きっとこの物語を最後まで読んでくださった皆さんにも、多かれ少なかれ……似た感情を抱いた事があるのでは……  傷心で深海に沈んでしまった優也は、ある意味自分の感情にとても素直だったとのかもしれませんね。  私はどん底に一度沈んだ経験がある人は、人の心の本当の痛みが分かる人だと思っています。そんな辛い日々も無駄な経験ではなかった。前へ進む、浮上していく希望のようなものを、物語を通じて描きたかったのかもしれません。  すべての過去を含んで現在の自分が存在するということに、優也は最後に気が付きました。そんな自分自身を愛したいとも。だからこそ等身大の優也を愛してくれるKaiが現れてくれて本当に良かったですよね。もちろんKaiの方も優也と出逢えて本当の自分を見つけました。  このお話しの二人は、今後も別途連載中の『重なる月』https://estar.jp/novels/25539945 にたまに登場しています。(『深海』登場した、丈と洋のお話です)深海のサイドストーリーや幸せになったKaiや優也の様子も書いています。それから優也さんが通訳時代に接し、時に妬んでしまった洋の哀しい事情も、詳しく書いているので驚かれるかもしれません。 最後に…… 『深海』を本棚に置いてくださった読者様への感謝の気持ちを込め、また季節の甘い話などを、ここにも掲載できたらと思っております。  それでは最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。また他の作品でもお会い出来たら嬉しいです。
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