赤井さんに恋をして～Season3～

第二話 全校集会

　野球部の思わぬ躍進に、体育館で、緊急の全校集会が開かれた。

　舞台前に野球部全員、舞台向かって右側に進行用の講演台とマイク、その後方に吹奏楽部が配置された。体育館の窓は全開で風を通し、大型の冷風扇数台で、ひんやり感も多少演出。全校生徒は、各自、飲み物・団扇(うちわ)・熱冷まシートや冷たいタオルを持参し、体育館の真ん中を空けて、U字型に座った。

　赤井生徒会長がマイクの前で、｢野球部の皆さん、予選、準々決勝進出おめでとうございま～～～す！｣と呼び掛けると、場内、盛大な拍手と、｢おめでとうございま～す！｣と、みんなからの祝福が沸き起こった。すると、｢よっ！｣と、赤井生徒会長が和傘を広げてクルクル回し、その上で蹴鞠(けまり)をコロコロと転がし始めた。｢いつもより多く回しておりま～す！｣と回し続けると、場内は、｢Oh～ッ！｣と、盛り上がり始めた。

　ある程度、場内が沸いたところで、赤井さんが蹴鞠を無事キャッチ。｢野球部の皆さん、みんなからの応援、目に焼き付けて、これからの試合、臨(のぞ)んでくれるかな～？｣と問い掛けた。｢いいとも～！｣と、野球部全員で答え、拍手と歓声の中、赤井さんのオープニング宴会芸が終わった。

　続いて、吹奏楽部が、高校野球でお馴染みのヒッティングマーチを演奏し始め、それに合わせて全校生徒が手拍子と掛け声で、合わせてくれた。

♪パ～パ～～～、パパパ、｢おっお～らかッ！｣、パ～パ～～～、パパパ、｢ソッフ～トナッ！｣、パ～パッパパパパパッ、｢Ohッ！｣、パッパパパパパ、｢Ohッ！｣、パ～パ、パ～パ、パ～ッパ、パッパパッパ、パッパパッパパッパ、パッパパッパパ、……｢それ、かっ飛ばせ～～～ッ！　○○ッ！｣♪

　演奏と掛け声に合わせて、盆踊り部・阿波おどり部・ソーラン節部・ダンス部が、体育館の真ん中を、輪になって踊りながら練り歩いてくれた。

　その輪の中では、チア部が両手でポンポンを振りながら、ミニスカートの足を元気よく何回も上げ、｢これでもか！｣って言うぐらい、見えてもいいパンツを、合法的に見せながら応援してくれた。男子生徒たちは、その一瞬一瞬、かなり視力が上がっていたに違いない！　僕たち野球部員にいたっては、今すぐ試合ができるのならば、かなり選球眼がよくなっているに違いない！

　僕たちは、そんなエネルギー溢れる眩(まぶ)しい股間を、しっかりと目に焼きつけて、何となく、｢ごちそうさまでした～！｣と、合掌し、感謝申し上げたのだった。

ー　第三話へ、つづく　ー