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「常緑樹で埋めるって?なに?」
「庭だよ。僕たちの家の庭だ。『家に庭』と書いて『家庭』だ。家という内側 庭という外側を作って初めて『家庭』ができる。僕たちの庭は常緑樹で埋めよう。常に緑が滴る庭にしよう」
菜乃花はその庭を想像した。
「それはいいわね。私、少し曲がった小道をつけたい」
「犬走りも作ろう。家の周りだけではなく、庭の中にも小道を作ろう」
「あら、話があうわ。白い花も植えたい」
「緑と白は合うからね」
「でもそれ、お葬式みたいよ」
ははははは、と妙に浮かれた笑いを互いにしながら大きな屋敷の玄関に向かった。が、裏木戸だった。
「静かに出て行こう。そっ、とね」
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