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いつもと何も変わることなく2人で遊んで、今日、初めて僕から桜の下に行こうって誘った。
雨美ちゃんは不思議な顔をしていたけれど、それでもいいよって笑顔で言ってくれた。
雨美ちゃんには自分の口から言いたくて、それはあの桜の下じゃないとダメだって、何故か思ったんだ。
桜の下に着いてからも、中々話題は切り出せなくて、他愛もない話をしていた。
ふと、話題を切り替えてくれたのは雨美ちゃんだった。
「今日はずっと何か話したそうなかおしてる。どうしたの?」
無邪気に笑いかけてそんなふうに言ってくれるから余計言いづらかった。
「あの…今度引っ越すことになって…雨美ちゃんと遊べるの今日までで…」
どうにか絞り出すように伝えた。
好きっていうのも伝えようと思ってたのに、それより先に雨美ちゃんの落ち込んだ顔が僕の視界を覆って、何も言えなくなってしまった。
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