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「これが、僕と雨美ちゃんの終わりではじまり。もう満足してくれた?」
「それから後、2人とも本当に会わなかったの?」
「会わなかったよ。僕もあの桜の下に通ってたけど、その時間もあまりなかったからね。おばあちゃんが、あの町に居てさ、おばあちゃんに会いに行ったついでにしか行けなかったから。」
「ふーん…それから病み期にでも入ったの?」
「うん、正解。人付き合いが元々得意ではなかったけれど、更に酷くなったよ。両親は時間が解決するってある意味ノータッチだったし。」
特に隠すようなこともない、そんな淡い初恋。
話してみてわかったけれど、それはやっぱり奥底に眠っていて、久しぶりに話しても少し鈍い痛みが残る。
今は結衣が1番大切。
それは変わらないけれど、あの初恋は僕にとって考えさせられることが多かったからなのか、初恋だからなのか、ずっと僕の中に残ってしまっている。
まいったな。それが正直な感想だった。
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