真夜中の散歩

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真夜中の散歩

 うっとうしい梅雨がようやく明けたと思ったら、今度は猛暑続きだ。夜になっても暑い。  いつものように外で晩飯をとり帰宅した。昼間、熱され続けていたせいか、エアコンを入れてもなかなか冷えない。20年近く経てば効きも悪くなるだろうし、替え時かもしれない。  風呂上がりの自分を冷やすために冷蔵庫から500mlの発泡酒缶を取り出し一気に飲んだ。 △△  寝苦しさと尿意で目が覚めた。  トイレの小窓の向こうがほんのり明るい。トイレから出て、玄関ドアを開けてみるが、さっき見た明るさの元は見つからない。  外の方が夜風が涼しかった。 「散歩にでも行ってくるか。鍵はちゃんとかけて、っと」  寝に帰るだけなので、家の周りを散歩をしたことなどない。駅とは逆の方向へ少し歩いてみようと思った。さすがにこの時間だと車も通らない。道沿いの家が徐々に減り街灯の間隔もかなり広くなったところで、頼りの月も隠れてしまった。  戻ろうとしたその時、サンダル履きの右足先をひんやりしたものが触った。 「ひゃっ」  小さな声が漏れた。足下を確かめようと暗がりを凝視した。足に何か巻きついている。そいつが、そのアオダイショウが螺旋に光りだした。 「うおぉ~!」
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