ルサンチマンか脱ルサンチマンか

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永田は得意げな表情になった。「国民はね。『国民が』選んだ政権であれば誰でもいい、ということではありません。むしろ『自分たちは国民なんだ』という誇りを持ち、自ら政治をコントロールしようという自覚がないとだめなんです。その点では日本は残念ながらまだまだなんです。その責任を取るべき責任野党は『責任』を取れていない」 そして「だからこそ『本当の責任与党』を目指さなければならない」という論旨を展開するのが永田の必勝パターンであり、演説は終盤に近付いたようだ。「私は責任野党を選ぶくらいなら無能な責任追及から身を守るため無責任な責任追及を選んでもいいと思います」 (それなのに) 日本創生党の政策綱領草案には「自由で開かれた民主国家」の構築と確立と確立と確立と確立の確立との確立の確立の確立との確立との確立との確立との確立との確立との確立の確立の確立とを確立とするとあるのだ (それなのに) ザマ美は言った「無責任野党が与党の権力を奪い取ったとしても、国民の支持が得られるかどうか疑問なのよね」すると永田は言った。 「そりゃあもちろん野党の無能ぶりに対する怒りが爆発しますよ」 永田はザマ美の言葉に頷きながらも、自分のスタンスを明確にする。「だからこそ、私たちは政治における責任をしっかりと果たさなければならない。無責任な野党が与党になったとしても、その結果が国民にとって良いものでなければ、それはただの権力の移動に過ぎない。」 ザマ美は微笑んだ。「それは正しく、だからこそ、私たちは新しい政治の形を作り出さなければならない。」 永田は彼女の言葉に深くうなづいた。「まさに、それが私たちの使命です。」 突如、スクリーンには新たなニュースが映し出された。日本共生党が提案した新しい法案が、多くの議員から支持を受け、可決される可能性が高くなったと報じられている。 永田はそのニュースに目を細める。「見てください、これが現実です。変わり始めている。そしてこれからも、この国をより良くするために、私たちは努力し続ける必要があります。」 ザマ美は彼の言葉に頷き、「それが私たちが目指すべき未来ですね。」 選挙が近づくにつれ、永田とザマ美、そして山谷幸恵の間の緊張は高まっていった。しかし、それは新しい日本を作るための必要な過程であり、三人ともその重圧と期待に胸を膨らませていた。 そして選挙の日、国民は自らの手で未来を切り開くために、投票箱に一票を投じた。結果はどうであれ、この瞬間が新しい日本の始まりであることを、誰もが感じていた。
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