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詳しく話を聞いたところここは所謂三途の川で、ここでは7歳までに死んだ者は石積みをしないといけないらしい。
「私は合法ロリだあああ!!っていうか、私死んだの?ほんとに?確認してよ!」
鬼の顔が恐ろしく引きつっているけど多分私も同じくらい引きつっている。
顔を顰めながら鬼がスマホを取り出す。
最近の鬼はハイテクなんだな…。
「どう!?」
電話が終わり、喰ってかかる私の肩に手が乗せられた。
「ここに来たのも死んだのも手違いだそうだ。」
「じゃあ生き返れるのね?」
「いや、それはクーリングオフ期間が過ぎてて無理らしい。すまんな。」
「報連相しっかりしろよ。」
呆然と立ち尽くす私を放って、鬼は近くに積まれた石を蹴散らした。
積んでいた子は一瞬呆気にとられていたが、またすぐに泣きながら石を積み始めた。
「ちょっと何やってんのよ!?」
「なにって、積んだ石は片っ端から俺ら鬼がぶっ壊すことになってんだよ。」
…ショタを、泣かせる…だと?
思わず私の拳が唸った。
渾身のパンチが鬼の鳩尾にめり込む。
「いってぇ!!なにすんだよ!」
「うるさい!ショタをいじめた天誅じゃあ!」
鬼は深い深いため息をつき心底迷惑そうにまたどこかへ電話をかけ始めた。
会話の内容はよくわからないが、断片的に聞こえる単語からして悪い話ではなさそうだ。
電話を切った鬼は私にこう言った。
「徳を積めば生まれ変われるらしいからさっさと積んでどっか行け。」
「徳って言ったって…私死んでるし。」
「喜べそこは特例で死んでても問題ないそうだ。内容も問わない。」
「なんでも…。」
思案する私の視界に石積みを続ける子供が映った。
足元でショタが泣いている。
この子だけじゃない。
耳に入るのは石を積む音とすすり泣く声ばかり。
見渡せばここにいる子供たちはみんな泣いている。
生前の自分の勤めたブラック企業に酷似している。
こんな子供が今からブラック企業体験する必要はあるのだろうか。
…よし、決めた。
「ショタコン合法ロリ、三途の川改革させていただきます!」
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