祇園さんと親友になるまで

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その次の日次の日もさらに次の日も祇園さんは屋上の私と親友のものだったベンチに腰掛けてお昼を食べた。祇園さんが何か話しかけてきて私がうなづいたり短い言葉で答えるような感じで昼のひと時は過ぎていった。 「九条さん、あの」 放課後、昇降口で靴をはきかえよとしている時に声をかけられて、振り向くとクラス委員をやらされてる田中君がいた。 「あの」 そう言って田中君は中々本題を切り出さないで私を見てる。 「クラス委員会があるんだけど」 そう言われて思い出した。私もクラス委員をやらされてるんだった。 担任の体育教師に無理やり指名されたものの一緒に選ばれた田中君に任せっきりだった。 「クラス委員会に出るのは男女両方揃っていないといけないので」 渋々、委員会に向かう途中、祇園さんに会った。 「どこ行くの?」 そう訊かれて、「クラス委員会だけど」と言うと「関係ないだろ」と田中君が間に入って祇園さんをにらんだ。 私がわけがわからず、戸惑う私に祇園さんは何も無かったように、立ち去った。 「田中君どうしたの?」 そう尋ねると「あの女は十條と」とそこまで言って黙った。 「なんかあったの?」 そう言うと田中君は押し黙ったから、立ち止まった。 「答えてくれないとクラス委員会出ないわよ」 田中君は苦悶の表情のまま「後で話すよ」と折れた。 予想通りの退屈なクラス委員会で私は何もすることない置き物で田中君が全てを行ってくれた。何もやってないのにすごく疲れた。 「暇だった」 そう感想を漏らす私に田中君は「約束だから」と口を開いた。 「昨日、見たんだ。僕が放課後美術準備室に行ったら、十條と祇園がキスしてた」 「まさか」 そう言いながらも、祇園さんなら男性教師さえも魅了してしまうだろう。 「あいつは、不潔だよ」 「でも」 その後の言葉が続かない私がいた。
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