06. レボリューション ver.Peach

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「うーん。と言いますか、事実以上に強いイメージを持たれる立場をお互いに確立している以上、事実ならいざ知らずジョークで翻弄させるメリットがまるで分からないと言いますか」 「……事実以上に強いイメージを持たれる立場?」  はて? と小首を傾げる姿さえ様になるなんて心底羨ましい。  そんなことを思いつつ、生き恥をさらす覚悟で説明を始める。だって、実際に実行に移されてしまうと困ってしまうのは、他ならぬ私なのだから。 「はい、ええと。百瀬会長の場合は眉目秀麗なカリスマ性を持った生徒会長という立場ですね。対して、私は落ちこぼれという立場ばかりが先行して、実情以上にポンコツ評価になってるんですよね。そんな二人がお互いにストーカー行為をしていると語ったところで、人を惹き付ける生徒会長ならストーカーするなんて考えられない。むしろ、する意味がわからない。と言うか、常軌を逸した行為(ストーカー)をポンコツ側がしたのならば理解ができるとジャッジされるのが関の山というか」 「つまり、現状では一人負けが見えているから嫌だと言いたいのかな?」  敢えて、挑発的に語り掛ける百瀬会長は間違いなく意地悪だ。丁寧に語っていることが馬鹿らしく思えてくる……。 「そこまでは言っていませんよ! ただ二人の立場上、ストーカー話はジョークとして成立しないから反対してるんです!!」  力強く断言する私の瞳を百瀬会長はじっと見つめてくる。しばし睨めっこをしていた矢先。盛大に吹き出され、困惑してしまう。 「ふは……っ、もうダメだ。紫乃ちゃん、盛大な褒め言葉の数々どうもありがと。まあ、割と満足できたから、それでもういいや」 「へ?」
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