05. レボリューション ver.Pink

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「……」  佐倉くんが言葉少なになってしまう要因も理解して、尚もせっつくつもりは更々ない。とは言え、この微妙な雰囲気に長時間居続けるのは苦行でしかないだろう。どうしたものかと考えあぐねていると、不意に佐倉くんが語り始める。 「何だか、ごめん。佐藤、全く関係ないのに……」 「え、いやいや。全くというほどのものでもないでしょ? まあ、ここは一つ敢えて嫌らしい言い方をするなら、私をダシにして指導の練習に遠慮なく使っちゃって」  とりあえず神妙な空気を早く取っ払いたくて発する私の提案に、佐倉くんは心底不思議そうな表情を向けてくる。 「……ムカつかないの?」 「え?」 「だって、佐藤の能力過小評価されてるわけで。佐藤の与り知らないところで佐藤が巻き込まれているわけで」 「あー、そういうこと? 別に過小評価されようが過大評価されようが本質さえ見失わなければ問題ないわけだし、私は取り立てて気にすることじゃないと思ってる。まあ、悪意を持って吹聴するようなことをされれば、話は別だけど、本気で信じ込んでいることにまで目くじら立てるほど元気もないし」 「……」 「それに巻き込まれているという話もキチンと説明してもらえば若干違う意味を持ってることも分かったし。むしろ、今回に限っては指導の練習に遠慮なく使っちゃえばいいって私本人が言っちゃっているんだから、こっちも全く問題なしだし」 「……」 「それでもまだ、何か気に病むことがあるの?」
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