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「…………はあ、本当に佐藤って凄いなあ」
そう言って、佐倉くんは感嘆の声をあげている。でも、そう言われてみても私から見れば、佐倉くんの方がずっとずっと凄いわけで……。
「何で、私に感動するか全く分からない」
「ははは、そういうところかな。凝り固まった考え方を意図もたやすく破壊するところ」
「随分なクラッシャーにしか聞こえないんだけど……」
「ああ、言えてるかも。クラッシャー、だよね。見えない壁をエネルギッシュに破壊する、まさにクラッシャー」
一人、笑いのツボにハマったらしい佐倉くんの笑い声が教室中に響き渡る。その声を聞きつつ、確信する思いがある。
「うーん、というか。ここまで賢くて自分の利益追究のみに生きない人の方が余程凄いことだと私は思うけど……」
「そんなことないよ。だって、とどのつまりは教師になりたいという自分の利益が根底にあるが故の行動だし」
「でもさ、佐倉くんは何で教師になりたいと思ったの? 少なくても生徒に威張りたいとか、権威者になりたいという願いからではないと思うんだけど」
「……」
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