05. レボリューション ver.Pink

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*** 「やっと部活解禁だーっ!!」  最後のテスト終了を告げるチャイムを受けて、優希のみならず部活動に所属しているクラスメイトたちが小躍りしつつ喜んでいる。その様子を見ていた試験監督の先生が苦笑しつつ、指示されている。 「はーい、皆さんお疲れ様。とは言え、答案用紙はしっかり回収させてくれな?」 「「……あ」」  開放感に浸り、喜び溢れる気持ちが途端に萎える《答案用紙》というワードに直面し、クラス中が静まり返る。もう解き直すことも出来なければ、書き足すことも出来ない答案用紙の末路に気を病む感情が渦巻く中、先生は手早く回収されていく。答案用紙の枚数のみをザッと確認した先生からの号令で、今度こそ本当にお開きだ。 「あははは、ついつい勇み足になっちゃったよね」 「しょうがないよね、終わることだけを目標にしてたわけだしね」  教室のあちこちで聞こえるクラスメイトのやり取りも試験中の厳粛な空気が消え、通常通りの活気を取り戻している。どことなくピリピリとした雰囲気だった教室が元通りになり、素直に微笑ましく感じてしまう。
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