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●第2話●
戸谷は、普通に良いやつだった。
そこら辺の男子みたいに女子を馬鹿にしたりはしないし、学級代表として、するべきこともきちんとしていた。
ただ、正直なところ、恋愛対象で見れるかと聞かれれば、ノーだ。
頭が致命的に悪い。確か、中一最後のまとめテストでは、5教科合計200点前半とか言ってたっけ...
それに、とびきりのイケメン、というわけでもない。まあ、私だって、とびきり可愛いというわけじゃないから、偉そうなことは言えないけど...
なんで。なんで。なんで。なんでコイツから。とりあえず、戸谷から来ているLINEを見た。送られてきた日は、1週間前。
「来週の日和神社でやる、ゆや祭り、来る?」
それだけだった。
ゆや祭りーーこの夏の時期に一番盛り上がる、この地域で一番大きなお祭り。この地域の学生は、友達と、家族と、恋人と、大体行く。私も友達や家族に誘われたが、特に行きたい祭りでもなかったし、部活で疲れているだろうから断った。
戸谷が聞いてきたと言うことは、アイツは行ったのだろうか。
そういえば。
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