愛密咲く

11/38
1332人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
体が… 熱い……何かが私の中から込み上げる何か、キュウッと締め付けるこんな感覚に体が強張ろうとしている。 憂と出会ったあの日__ 私の手を繋いで先へ先へと歩く憂にどこへ行くのかと内心 ブツブツと不満に思っていた。 大人のくせに、堂々と高校生を連れて歩くなんて… どうかしてる!しかもこの手… これじゃ父兄か恋人じゃん! 「 可愛い顔に眉間のシワはいらないんじゃない?愛月ちゃん 」 「 シワぁ!?ひどいっ シワなんかあるわけないでしょ、まだ出来る年じゃないもん! 」 「 強気だね 」 な、なんなのほんとにっ!ピチピチ女子高校生の手を握っといてシワだと~ ムカつくっ! 歩きながら ほとんどどうでもいい会話を交わしながら歩いていると、デパートに入って行く憂。 「 ねぇここデパだけど? 」 「 そうだけど? 」 なに、その腑抜けた返しは! 「 だからさ、何しに来たのかって聞いてるの!」 「 だからね、何かを買いたくて来たに決まってるの!」 また… 「 なんなのっ!」 「 なんなのっ!って、なんなのっ?」 笑ってる!腹が立つ、絶対バカにしてる… 私と憂は、つまらない言葉の掛け合いをしながらデパート内に入って行った。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!