1331人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
憂に恥ずかしい事をされながら、私は出会った時の事を思い出していた。
あれは私がまだ高校生の頃__
大学受験の勉強に疲れきって、学校をサボリ交差点に立っていた。
朝は人がひしめき合い行き交う交差点に、私は携帯片手に信号待ちをしていた。
赤信号で後ろからの人波が押し寄せようとしていた。
私は携帯に視線を向けたまま危機が迫る事にはまったく気づかずに、押し寄せた波に 前へと押され、反動で携帯が手から離れた。
「 き、ゃっ!! 」
瞬間、腰を強い力で横へと体が流れた。
「 危なっ 」
え……… っ!?
頭の上から聞こえた一言。
見上げれば私の腰に手を回す男がいた。
「 大丈夫?携帯は… どうかな 」
「 あ、あり、がとうございました… 」
で、誰? 腰が…
腰に回された手に、私の意識が集中していく。
「 ねぇ 君さ、学校行かないの? 」
最初のコメントを投稿しよう!