恋する痛み

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私の前に現れたのは、長身に白衣と眼鏡のドクター。 でも、この人は… 「 う… 」 嘘でしょーっ!? 憂ちゃん! 「 う? 具合悪いのか?」 私は開いた口が塞がらず呆然と立ち尽くしていた。 そんな私のおでこに手をあてる憂は真面目な顔をしている。 そばにいる生徒が憂の真面目な行動を見て言った。 「 ちょっと先生さぁ、可愛い子だからって ここではホストなんだから~ マジにやんないでよ 」 先生… 憂ちゃんやっぱり先生なんだ… 「ねぇねぇどこの学校?名前は?彼氏いる?」 「 え… 」 「 お前らいいから!」 憂ちゃん… 憂は私に熱のない事を確認すると、私の手を引いてベッドへ連れていきカーテンをシャッとしめた。 眼鏡をはめた憂は知的でカッコいい。 つい、見とれていると憂は私に顔を近づけてきた。 「 あ… あの、憂… 」 「 しっ!愛月… 黙って 」 私の口に人差し指を付けて言うと、優しくキスをした。 憂ちゃんだ… ほんとに、先生なんだ。 「 愛月、一人?」 「 沙里と。でも はぐれちゃって… ねぇ、先生って呼ばれてたね。なんか、ビックリ… 」 「 先生だよ、ちゃんとね。ここが俺の職場だよ 」 え… えっ、じゃ まさか保健の先生? 「 保健室の養護教諭だったの!?」 「 しー… 」 憂はかけている眼鏡を外して、私にかける。 「 えっ、憂ちゃん?なに、いらないの?」 「 ダテだからしてていいよ。その代わり… これ、貸して 」 私の髪からシュシュを外して手首につけて笑ってみせる。 「 それ、ピンクだよ?笑われちゃう 」 「 俺ホストらしいからいいだろ、餞別って事で。案内してやりたいけど休憩まではダメらしいから、これで我慢するさ 」 ピンクのシュシュなのに… 嬉しいよ。 「 じゃあ休憩まではブラブラして見てくるから、電話してね 」 「 ナンパ、気をつけろ」 「 うん 」 憂ちゃんと少しでも一緒にいたい。
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