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憂の手を握ると、憂が私の手の甲にキスをした。
憂ちゃん、恥ずかしいよ。
「 愛月、美南の事はごめん。相談があるって言われてあそこにいたんだ。そのあとで愛月を呼ぼうと思ってた。ごめんな愛月、不安にさせて… 」
憂は優しく謝ってくれて説明してくれた。
私はすぐカッとなって暴言吐いてしまったのに、憂は怒らず私にまっすぐ向かってきて捕まえてくれた。
憂は私からは遠い。
でも、隣にいてくれる。
「 愛月… 愛月の初めては他の奴にやるな、あんな事言うなよ。な?」
「 憂ちゃん… ごめん、あんな事言うつもりじゃ… ほんとにごめんね 」
私は憂ちゃんのものだよ、心も体も、全部、憂ちゃんのだから。
「 あ、憂ちゃん校門だよ?手、ヤバいから離そ 」
ん? あれ、憂ちゃん?手…
「 学祭くらいでバレないよ 」
「 えっ!ちょっと、バレるって~ 」
憂ちゃんは先生なんだよ!マズいよっ
門を憂と手を繋いだまま堂々と抜けて校舎へと行く。
「 愛月、キスしたいな 」
「 えっ!? 」
さっきは保健室だったけど、こんなに人いたら どこでするの!
憂に手を引かれていく私が連れ込まれた場所は、美術室がホラーハウスになっている教室だった。
ひっ!怖っ!
「 憂ちゃ… ん、んっ 」
ホラーハウスに入ってすぐの壁に押し付けられた背中に、憂は遠慮なく私の頬を支えるようにして激しく唇を奪う。
すぐに優しいキスになると、ふいに唇の隙間から互いの舌が絡み合う。
ホラーハウスに入ってくる客の悲鳴が交わす唇から漏れる音をキレイにけしてくれていた。
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