愛密咲く

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学校行かないの? そう聞かれた私は何も答えず俯いた。 「 そっか、サボリか 」 そんな言葉が頭の上から聞こえて、思わず ほっといて!と言った。 そんな投げやりに言う私の腰から手を離して、スッと私から離れて行くと、落ちた携帯を拾い上げ 壊れていないか確かめ、私に差し出した。 「 ありがとう… 」 「 いいえ。なぁ、どうせサボリなら俺に付き合ってよ、どぉ?」 「 ナンパ?すみません、助けてくれたのはありがたいけど… 」 「 じゃあ、学校連絡しようか?」 えっ!や、やめてよ、何よこの人! 「 …わかりました、お茶くらいならしかたなく付き合います 」 そう言った私に笑みを見せて私の手を掴むと、交差点の信号が点滅している中を走り抜けた。
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