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「 ねぇ 名前は?ある?」
「 あるって聞くの? なかったら私は私じゃないでしょ!」
なんなのよ、この人!名前なかったら私は誰よっ
「 付き合ってくれるお礼に俺の名前教えるよ。加河 憂っての、今は26歳だから 」
はぁ… あ、そうですか。
けど 26歳って… どうなの?
「 で?名前は?」
「 ……愛月 」
「 ふぅん、愛月ちゃんか… じゃ、行くか!」
わっ、手繋ぐ必要ないでしょ~ ほんとなんなのよ、もう!
私は 憂に半ば勝手に連れ回されてしまう。
歩きながら、歩幅を会わせたり、大人の男のさりげない気づかいが よくわかる。
悪い人ではない、しつこナンパされたわけでもない。
自分から会って間もない私に名前まで明かしたのだから、悪い人ではない事は確かだと感じた。
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